オンライン診療で薬が何日分もらえるのか、多くの方が疑問に感じています。
オンライン診療では初診と再診で処方日数の上限が異なるほか、薬の受け取り方にも独特の流れがあります。
2025年最新のガイドラインに基づき、オンライン診療で受け取れる薬の日数と流れをわかりやすく解説します。
目次
オンライン診療で薬は何日分まで処方してもらえる?
オンライン診療で処方される薬の日数は、初診と再診で大きく異なります。
例えば、初めてオンライン診療を受ける新規患者に対しては、薬の処方日数は通常7日間が上限です。
一方、一度でも対面診療を受けた患者は、継続性の高い慢性疾患治療であれば通常どおり30日~90日分の薬をまとめて処方してもらえるケースが多いです。
処方日数の実例比較
オンライン診療における処方日数の目安を、初診と再診で比較すると以下のようになります。
初診(対面診療の経験がない場合)は上限7日分とされます。
再診の場合は、状態が安定していれば保険診療と同様に最大30~90日分の処方が可能です。
診療区分 | 処方日数の上限 | 備考 |
---|---|---|
初診(オンラインのみ) | 7日分 | 対面診療未経験の患者 |
再診(対面診療あり) | 最大90日分 | 安定慢性疾患の場合(保険診療の上限) |
表のとおり、オンライン診療では初診時は7日分、再診時は最大90日分まで処方可能とされています(実際には患者の身分や症状に応じて処方量は調整されます)。
初診で7日以上必要な場合は、一度対面診療を受けてから再度オンライン診療に切り替えることになります。
安全性を重視して処方日数が設定されているため、限度を超える処方は原則できません。
長期処方の条件と注意点
長期処方を受けるには、一度対面診療を経て医師が患者の情報を十分把握している必要があります。
継続して安定した治療を行っている患者であれば、医師の判断でまとめて処方してもらえます。
ただし、オンライン診療のみで初めて診察を受けた患者に対しては、患者情報が不十分なため処方日数が短く制限されます。
このため、オンライン診療で処方を受ける際は、必要に応じて最初に対面診療を受けておくことが安心です。
初診のオンライン診療で処方される薬の上限
オンライン診療の初診(完全初診)の場合、厚生労働省の指針では処方できる薬の期間が最大7日間と定められています。
多くのオンライン診療サービスでも「初診時の処方は7日間まで」と案内されています。
これは、紙の問診票や健康情報だけでは詳細が不明なため、最低限の量で安全にスタートするためです。
また、初診時には麻薬・向精神薬(睡眠薬や抗不安薬など)や、抗がん剤・免疫抑制薬など重篤な副作用や依存のリスクがある薬剤は処方できません。
これらの薬は対面診療でのみ処方が認められており、オンライン診療では基本的に処方対象外となります。
7日間の処方制限の背景
初診時は患者の既往歴や生活状況が十分に把握できないため、処方は慎重になります。そのため厚労省は初診オンライン診療の処方日数を7日以内と定め、患者の安全を優先しています。
対面診療経験がない完全初診の患者には7日以上の一括処方は原則できず、7日目以降の継続治療は対面診察を経ることが推奨されます。
処方禁止薬の例
オンライン診療の初診では、依存性の高い麻薬・向精神薬はもちろんのこと、抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)や免疫抑制剤、不整脈治療薬、抗てんかん薬といったハイリスク薬も処方禁止となっています。
これらの薬は専門的な管理が必要で、オンライン診療では患者の変化を細かく監視できないため、必ず対面診療で処方されます。
再診・継続診療での処方可能日数
一度対面診療を受け、患者の状態が把握されている場合は再診として扱われます。
この場合、オンライン診療でも対面診療と同様に、安定した慢性疾患であればまとめて長期間分の処方が可能です。
健康保険では一般的に最大90日分まで処方できるため、多くの医療機関では初回対面診療後であればオンライン診療に切り替えても30~90日分の処方を行っています。
対面診療との併用による処方の利点
対面診療を経た患者には、オンライン診療でも十分な薬が処方されます。
例えば高血圧や糖尿病などの慢性疾患で症状が安定していれば、通常通り30日~90日分の薬を一括で処方してもらえます。
これにより通院回数が減り、患者の負担が軽減されます。
服薬管理とフォローアップ
再診時には、医師が処方前に患者の服薬状況を確認します。
オンライン診療でも問診でアレルギーや飲み合わせを確認し、必要に応じてオンラインで服薬指導を行います。
しかし症状に変化が見られる場合や新たな問題がある場合は、医師は対面診療を勧めるなど、適切なフォローアップが求められます。
オンライン診療で処方できない薬の注意点
オンライン診療では処方できない薬が設定されています。
特に麻薬・向精神薬(依存性のある鎮痛剤や睡眠薬など)や、抗がん剤・免疫抑制薬などはオンライン診療では処方できません。
これらの薬は重篤な副作用が懸念されるため、必ず対面診療での処方が義務付けられています。
処方制限のある薬剤一覧
具体的には、麻薬及び向精神薬のほか、抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)、免疫抑制剤、不整脈治療薬、抗てんかん薬などもオンライン診療での処方対象外です。
これらの薬剤は内服後の経過観察や副作用管理が必要であるため、オンライン診療では使用できない決まりになっています。
安全確保の仕組み
オンライン診療は対面診療の補助として位置づけられており、不適切な処方を防ぐために指針で範囲が定められています。
医師は患者の病歴・服薬歴を詳しく確認し、処方に際しては必要最小限の量に留めます。
また患者はオンライン診療時に服薬歴を正直に伝え、薬剤師の指示を守って服用するなど協力が重要です。
オンライン診療で薬を受け取るまでの流れ
オンライン診療で実際に薬を受け取るまでには、いくつかのステップがあります。
まず患者はオンライン診療の予約を行い、予約時間になったら自宅や職場でパソコンやスマホを介して診察を受けます。
診療後、医師が薬の処方が必要と判断すれば処方箋を発行します。以下では、予約から薬の受け取りまでの基本的な流れを説明します。
予約から診察まで
オンライン診療では、専用アプリやウェブサイトで事前に予約を行います。
予約時に保険証や症状、現在の服用薬などを入力することが多いです。予約時間になったら案内されたURLにアクセスし、医師とビデオ通話で診療を行います。
対面と同様に、症状を説明したり質問に答えたりして診察を受けます。
診療後の処方箋発行
診察が終わると、医師は必要な薬の処方箋を発行します。オンライン診療でも紙の処方箋が発行され、患者が指定した薬局に送付されます。
電子処方箋の場合でも、最終的に薬局には処方箋の原本が届く仕組みになっています。患者は処方箋を薬局に持参するか、薬局から自宅へ配送してもらうことで薬を受け取ります。
オンライン診療で薬を受け取る方法と注意点
処方された薬は大きく2通りの方法で受け取ります。院内処方では医療機関併設の薬局から直接薬が患者宅へ配送されます。
これに対し院外処方では、患者が選んだ市販薬局に処方箋が送られ、薬局で調剤された後に患者が受け取ります。
どちらの場合も薬剤師による服薬指導を受けられる仕組みになっています。
院内処方と院外処方の違い
院内処方では、診療後すぐに医療機関内の薬局で調剤された薬が患者宅へ郵送されます。
薬局に寄る手間が省ける反面、医療機関側には調剤設備や配送コストの負担があります。
院外処方では、患者が希望する薬局へ処方箋をFAXやオンラインで送り、薬局で調剤してもらいます。
患者は調剤後に薬局で直接受け取るか、薬局から配送してもらうことができます。医療機関は薬局機能を持つ必要がないため手間が軽減されます。
オンライン服薬指導の活用
2020年の法改正により、オンライン診療と組み合わせたオンライン服薬指導が可能になりました。
医療機関は処方箋に「オンライン対応」と明記して薬局に送付し、薬局は電話やビデオ通話で服薬指導を行います。
これにより患者は自宅にいながら正しい薬の使用法を教えてもらえます。
ただし、薬の受け取り時には本人確認が重要です。
顔写真付きの身分証明書を提示するなどして、自分用の薬であることを明確にしましょう。
まとめ
オンライン診療では初診と再診で処方日数の上限が異なり、初診時は最大7日間に制限されます。
一度対面診療を受けていれば、通常通り30~90日分の薬をまとめて処方してもらえます。
ただし、オンライン診療では処方できない薬剤があることや、処方箋の取り扱いにも特徴がある点に注意が必要です。
処方箋は院内または院外のいずれかで扱われ、オンライン服薬指導の仕組みも利用できます。
これらのポイントを押さえ、安全にオンライン診療を利用することが大切です。